thの発音は舌をかむの?

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皆様、こんにちは!英語の発音トレーナー阿久澤淳子です。

スクールの生徒さんから続けて3人、「急に重要な会議で出張することになりました。」とご報告がありました。国際関係の世界を少しでもかじった人なら誰でも知っているような大きな会議に参加される方も。

そんな生徒さん達が世界の舞台で自信をもって英語で聞き、話せるように発音の面からサポートしたい、直前はどんなトレーニングが効果的か、あれやこれや考えていたら自分の方が緊張してしまいました。
日ごろ「リラックスが大事です」とか言ってるのに。

さて、日本人が苦手な子音TOP4の一つは th の発音です。
生徒さんをみていても、一旦完全に体得したはずなのに、
油断するとサ行やザ行に戻ってしまう定着率の低い子音の一つです。

thって舌をかむの?

th の発音は、Thank you や think や this など
中学1年生のしょっぱなで習うような頻出単語に出てくるのに、
日本人は苦手な人が多いです。

まず、認識していただきたいのは
これは「摩擦音」(空気が摩擦する時に発生する音)であること。
前回取り上げた f や vと同じ摩擦音です。

th には
無声音(声帯を使わない)[θ]
有声音(声帯を使う)[ð]がありますが、

口や舌の使い方は同じです。

1.上前歯の先に舌を軽くあてる(舌の先は前歯より少し出ている)
2.その歯と舌のわずかなすき間から強く息をねじ出す

基本はこれなのですが、次の動きを入れるとより発音しやすいです。

3.舌を前歯から離す(すばやくひっこめる)

この時に出る乾いたかすれた音もth の音の一部です。
舌を強くかんでしまったら、摩擦する音は出ないですよね。
ですから「舌をかむ」のは間違いです

まずは鏡を見ながら、無声音の単音でth th th …
と出してみてください。

その時、舌を出す長さを色々かえて
自分の出す音をチェックして下さい。

舌を自分の思い通りに動かせるようになる、
これもこの音を習得するためのポイントです。

続いて有声音 th 。
無声音と有声音の連続で練習するのが効果的。

必ず鏡を見て舌の動き、歯の位置などが同じであるか確認しながら、
無声音、有声音を交互に出してみて下さい。

それが終わったら次は単語です。
think  thin  thank  mouth
this  them  that  though

いかがですか?

舌は出すのか、出さないのか?

さて、thは「舌を出さないで発音するのが正しいのですか?」
こう聞かれたことがあります。

結論から言いましょう。

「どちらでもその音が出ればよい。」

速く話す時、確かに舌の先は前歯から出ていません。
前歯にあてる感覚です。

ですが、生徒さんを見ていると、
「なるほどあてればいいんだな」と
舌を前歯の裏の上のほうにあてて[t][d]音のようになったり、

歯のどこにもあたってすらいなくて[s][z]音のようになる方も多いのです。

そんな時に「舌先を出して音を出してみてください」とアドバイスすると、
th の正しい音になる。

ですから、まずはゆっくりのスピードで「舌の先を前歯よりも前に出すやり方」
音を定着させてから、
徐々に早いスピードで発音するやり方(舌先をほとんど出さない)をトライしてみてくださいね。

ちなみにまたトランプさんネタですが、
彼が大統領就任式の最後にThank you, thank you…とゆっくり言う場面では、
舌先がちゃんと見えてました。

舌先を前歯より出すth だあ!と変なことに着目していて家族にあきれられました。

もう一つ日本語でやる練習する方法があります。

「さむいあさです」

この中の「さ行」全部 th[θ](無声音)で発音してみて下さい。
中々ピンと来なかった方がこのやり方で体得されたケースがありました!

お試しあれ。

阿久澤 淳子
英語の発音トレーナー。「何年も英語を勉強してきたのに英語が聞き取れない、通じない」と悩む人をサポートする「英語の発音スクール イングリッシュ・ジョイ」を主宰。 日本で唯一、一人一人に合わせた徹底的なカスタマイズドカリキュラムを提供し、開校わずか1年半で200人の留学、海外赴任、学会、プレゼン準備で駆け込む人の発音を激変させ、リスニング力を向上させてきた。 英語という手段を手に入れて世界に羽ばたく人を応援したいという思いで真摯に一人一人の生徒に向き合っている。鹿児島県出身。宮部みゆきと歌と海外ドラマが大好き。